思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

日本猫学 ドラえもん

みなさんご存知、ドラえもんには、耳がない。噂によれば、それはネズミさんに、かじられてしまったためらしい。

日本の猫と言えば、鼠退治の殺鼠剤に「猫いらず」という名がつけられたことからわかるとおり、昔は鼠を捕獲してくれるためだけに、仕方なく飼われていたような動物だ。しかも「猫の手を借りたいほど忙しい」と仕事に励む日本人なのだから、暢気なる猫も、せいぜい鼠取りの役割に価値を与えてもらっただけでも、当然、感謝せねばならぬ存在だったろう。

そんな鼠取りだけに価値を置かれている日本の猫が、ネズミに耳をかじられてしまったのだから大変だ。耳をかじられてしまった痛さのことではない。そのネズミにたいする恐怖から、唯一自分が人から必要とされる鼠取りができなくなってしまったことである。

オーストリアの心理学者アドラーは言った。「劣等感やコンプレックスの補償克服」と。ドラえもんは耳がなくなってからと言うもの、人に必要とされるように努力した。その結果が数々の発明につながった訳である。まあ喩えれば、ドラえもんは「ミッキーマウスに耳をかじられたエジソン」なのである。

そこでドラえもんとのび太君の関係である。

のび太君は、ドラえもんが人に必要とされたいために発明したことを肌で感じているのだ。なぜならば、みんなからダメ人間と見られていて、日頃から自分も人に必要とされたいと感じているのび太君だからである。そこで発明品を拝借する際、貸し渋っているドラえもんに、「ケチくさいなぁ~」と世の中全体がドラえもんを必要としなくなるぞといった雰囲気づくりをして、お決まりのワンパターンとなる。例えば、ジャイアンの暴力やしずかちゃんの甘いささやきでは、ドラえもんの人に必要とされたい気持ちが充分にわかっていないので、のび太君の突き放し戦法に比べれば、効果のほどは二の次になる。

(現実社会について言わせてもらえば、「爆笑問題のニッポンの教養」、学識者を恐縮させて自らのペースへ持って行く番組作りなんかは、ドラえもんを恐縮させて自らのペースに持ち込むのび太君と似ている。あれじゃあ、まるで実写版のび太君状態だ。)

しかし、のび太君を前向きだの、楽天的だの、くじけないだの、自己啓発的解釈で持ち上げる風潮は何だろうね~。そんなのは子供の成長過程の一時期の理念として、軽く扱ってもらいたいものだ。実際は現社会で都合のよい利権にあやかっている人々は、そうした若者が自己啓発理念に縛られているのを喜んでいるのに。自分の属する利権社会構造を改革しようとする若者を、「自分の責任を棚に上げて、何かも社会のせいにする人」と思い込ませるために、自己啓発系の人々を褒めたりもしてね。

実際ののび太君とは、人に必要とされたいために苦心していることを以心伝心で感じ合うドラえもんという友達がいたから、そうした雰囲気が出せたんだよね。自己啓発とは、本当、いつまでたっても現実社会や現実他者を見ようとしない。その自己啓発に縛られている状況を喜んでいる人々の存在を知らないでいる者もいれば、知っていて重宝される側にあやかろうとする者もいて、驚くばかりだ。ちびまる子ちゃんの主題歌、「いんちきおじさん登場」の意味がわかるか、わからないかの違いかもね。まあ、のび太君本人は口に出せないから、我々はそれぞれに「ああだ、こうだ」と言ってる訳かな。

「死人に口なし」

昔は死人は反論できないから、死人の悪口を言うものではない、といった雰囲気だったが、今や「死人に口なし」、死人は異議を発せれないから、好き勝手に都合よく奉れ、へと進化した。

全く、これからの御時世、のび太君信仰なんかが勢いを増していくのだろうか。ちなみに私の場合は、ドラえもんの気持ちに同情するが……



漱石の猫を引き継いだ芥川龍之介は云った。

同時代は一歩の千里であることを理解しない。後代はその千里の一歩であることに盲目である。
同時代はその為に天才を殺した。
後代は又その為に天才の前に香を焚いている。

「侏儒の言葉」より


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。
スポンサーサイト
  1. 2010/05/25(火) 16:29:06|
  2. 哲学
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<毒舌の理由 | ホーム | 離婚同居>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://gold1513.blog48.fc2.com/tb.php/90-9f677eed
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。