思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

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ざっくり感のギリシャ哲学史




(1)タレスとピュタゴラス

アナトリア半島西岸ミレトスのタレスは自然学(水を質料とした)、サモス出身ピュタゴラスは南イタリアのクロトンで数学を基軸とした。


(2)パルメニデスとヘラクレイトス

「在るものが在る」のパルメニデス(エレア学派)と「万物流転」のヘラクレイトス、ちょっぴり中世ヨーロッパの普遍論争と似た対立軸。アナトリア半島・エフェソスのヘラクレイトスと南イタリア・エレアのパルメニデス。


(3)エンペドクレス・デモクリトス・アナクサゴラス

パルメニデスとヘラクレイトスの両派が混在する中、四質料論や友愛と憎悪によって統一化と分散化を説明したエンペドクレス、"濃薄による物質と空間"や"質料にたいして形態・配列・位置"を示したデモクリトス、そして全体の混合状態(静的)にたいして非混合的な全体的ヌース作用(動的)を説いたアナクサゴラスが現れた。彼らはそれぞれ地域的に分散しており、アナクサゴラスによってアテネ哲学の地盤が出来上がったようである。


(4)ソフィストとソクラテス

ソフィストで有名なのはプロタゴラスとゴルギアス。アナトリア半島のアナクサゴラスを含めてトラキアのプロタゴラスやシチリアのゴルギアスと、地域的に分散した人たちがアテネで活動した時期である。(ソクラテスやプラトンはアテネ育ち)おおよそ相対主義の傾向にあったソフィストにたいして、ソクラテスは特に倫理的なアレテーの分野において普遍的理念を示し始めた。


(5)アンティステネスとアリスティッポス

小ソクラテス派の中のキュニコス学派アンティステネスとキュレネ学派アリスティッポス(北アフリカのリビア)。それはアレキサンダー大王遠征後のストア派とエピクロス派の対立へとつながった分野でもある。おそらくそれは、ソクラテス死後の「悪法も法なり」の雰囲気の中、新たな賢者論や幸福論の分野で生じた対立だったと考えられる。


(6)プラトン

プラトンは(5)のアンティステネスやアリスティッポスより若干若いが、同じくソクラテスの弟子。プラトンもソクラテスと同じくプロタゴラスの相対主義に反対し、感覚界をヘラクレイトスの万物流転状態と見なしてイデア界を並行対置させました。またピュタゴラス派の「万物は数なり」にたいして、プラトンは感覚界とイデア界の中間的特徴を有する数学として注意しました。(アリストテレス『形而上学』1巻6章)


(7)アリストテレスの形而上学

アリストテレスはアテネで活動しましたが、アテネ生まれのソクラテスやプラトンと異なってトラキア生まれ。つまりアナクサゴラス、プロタゴラス、ゴルギアスたちのような上京組(日本でたとえれば、アテネに拠点を築いたアナクサゴラスは江戸に拠点を築いた徳川組、そしてアテネへ向かったアリストテレスは東京へ向かった明治維新の薩長組)の立場にありました。そんなアリストテレスは『形而上学』においてタレスに始まる哲学史を組み入れて考察した感じです。



以上、ざっくり感のギリシャ哲学史はアリストテレス『形而上学』に基づいてまとめられました。極力労力を費やさないよう最低限の注目どころを説明しておきますと、(1)タレスから(3)アナクサゴラスまでの哲学史(『形而上学』1巻3章)、ソフィストとソクラテスの対立に入る前の(3)アナクサゴラス、エンペドクレス、デモクリトスらの哲学史(『形而上学』1巻4章)、そして(4)プロタゴラスの相対主義(『形而上学』4巻5章,11巻6章)に、ソクラテスからプラトンへの簡単すぎる概略(『形而上学』1巻6章)となります。なおピュタゴラス派とエレア派の南イタリアの影響(『形而上学』1巻5章)も参考にしたいところで、(5)アンティステネスとアリスティッポスについては重要視されていません。

大きな対立軸としては「タレスの自然学とピュタゴラスの数学」、「パルメニデスの普遍性とヘラクレイトスの個別性」、「プロタゴラスの相対主義とソクラテスの倫理的普遍」などがあり、普遍論争以降のヨーロッパ哲学においてもところどころにギリシャ哲学と似たような対立軸が現れている点に見どころがあろう。

たとえば最近では、科学史論における相対主義クーンと啓蒙主義ポッパーの対立軸が、相対主義プロタゴラスと普遍主義ソクラテスの対立軸と若干似ていた感じにありました。



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  1. 2015/11/09(月) 18:44:08|
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