思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

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動詞の使役化 ~活用パターンごとの特徴~




さて今回は動詞の使役化だ。それは古語体系と現代語体系に分け、しかもその変化過程についても詳しく調査するのが筋なのだが、色々と入り組んだ難しい問題であって、ここでは適当に混在させてしまっている。要は様々な原型と使役形の関連パターンが入り乱れている中で、動詞活用における母音体系というか、母音における動詞活用体系といったものが察せられればよく、その中でも特異な原型・使役形の対応パターン(タミル語に関係するかも知れない『見る・見す・見ゆ』『成る・成す』など)が後々のために示されることを目的する。

そこで自動詞と他動詞に分けた活用別の使役化パターンの一覧を、ざっくりとまとめてみた。



【四段系】

(他動使役化 標準形)
書く > 書かす(書かせる)
押す > 押さす(押させる)
待つ > 待たす(待たせる)
思う > 思わす(思わせる)
拝む > 拝ます(拝ませる)

(自動使役化 標準形)
動く > 動かす
鳴る > 鳴らす
咲く > 咲かす(咲かせる)
立つ > 立たす(立たせる)
届く > 届かす(届かせる)
痛む > 痛ます(痛ませる)
縮む > 縮ます(縮ませる)
揃う > 揃わす(揃わせる)
整う > 整わす(整わせる)
叶う > 叶わす(叶わせる)

(自動使役化 特殊形)
満つ(満ちる) > 満たす
なる > なす


【上一段系】

(他動使役化 未然イ段)
見る > 見す(見せる)
着る > 着す(着せる)


【上二段系】

(自動使役化 a段接続)
閉じる(閉づ)> 閉ざす
伸びる(伸ぶ)> 伸ばす
(満ちる(満つ) > 満たす)

(自動使役化 o段接続)
起きる > 起こす(起きさす)
過ぎる > 過ごす(過ぎさす)
落ちる > 落とす(落ちさす)
降りる > 降ろす(降りさす)
滅びる > 滅ぼす(滅びさす)


【下二段系】

(自動使役化 a段接続)
負ける(負く) > まかす(負けさす)
逃げる(逃ぐ) > 逃がす(逃げさす)
絶える(絶ゆ)> 絶やす(絶えさす)
生える(生ゆ)> 生やす(生えさす)
燃える(燃ゆ)> 燃やす(燃えさす)
消える(消ゆ)> 消やす(けす)
晴れる(晴る)> 晴らす(晴れさす)
出(で)る > 出(だ)す
(揺れる > 揺らす)

(自動使役化 特殊形)
見ゆ(見える) > 見す(見せる)

(使役他動 派生形)
立つ > 立たす(立てる)
届く > 届かす(届ける)
痛む > 痛ます(痛める)
縮む > 縮ます(縮める)
揃う > 揃わす(揃える)
整う > 整わす(整える)
叶う > 叶わす(叶える)



【サ変】

(他動使役化 a段接続)
する > さす(させる)

(自動使役化 a段接続)
『花の香りがする』>『花の香りをさせる』


【カ変】

(自動詞使役化 未然オ段)
くる > こさす(こさせる)






まずは四段活用からの使役化だ。四段活用からは他動詞の使役化と自動詞の使役化の双方に相当数あり、未然形に使役助詞『す』が接続するのが標準で、中には『せる』へ派生しうるものも多々あるのが特徴だ。

ところで四段活用のような未然形に助詞『す』の接続する標準的な他動詞の使役化は、上一段活用以外、ほとんどなくなります。上一段活用の他動詞では『見る』から『見す』、 『着る』から『着す』などがありますが、上一段活用となりますと、そもそもの他動詞自体が少ない感じです。

上二段活用・自動詞の使役化につきましては、ア段接続とオ段接続があります。ア段接続の場合は下二段活用・自動詞にも多く見られ、何やら四段活用の使役化における助詞接続の未然形ア段の音韻イメージを借用した感じのように思えたりもします。一方のオ段接続は異例であり、ざっくりと音韻イメージの選択によると考えておくことにしますが、ひょっとしたら後続終止ウ段『す』への移行が容易であるオ段の方を採用させた結果なのかも知れません。

下二段活用・自動詞の使役化は、上二段とは違ってほぼア段接続でまとまっています。しかし古語・終止形の立場から見て現代・終止形に使役の意味合いが残されている他動詞(古語・四段からの派生)と残されていない自動詞(古語・二段)に分けられます。現代でも古語・四段活用の終止形がしっくりいくもの(届く・縮む・叶う)の場合、現代・下一段終止形(届ける・縮める・叶える)が他動詞になっていることもあって使役の意味合いを含んだ感じがするのにたいして、古語・終止形がしっくりいかないもの(逃ぐ・絶ゆ・燃ゆ)の場合は現代・下一段終止形(逃げる・絶える・燃える)を自動詞の基準とするため明確な使役化(逃がす・絶やす・燃やす)が必要とされた感じにあります。あと前者については、『届ける・縮める・叶える』が使役元の目的意識に重きを置いた感じで、『届かす・縮ます・叶わす』は状況元の未然状態に重きを置いた使役結果に注意している気が何となくします。

それから下二段において他動詞の使役化が少ないのは、もし他動詞であった場合はすでに使役の意味を含んだ他の表現があるため、むしろ他動詞の自動詞化といった対応語の方に規則パターンが働く(たとえば他動詞『止める・縮める』の自動詞化『止まる・縮まる』)からかも知れません。

上二段活用や下二段活用に他動詞の使役化が少ないのにたいして、四段活用や上一段活用では未然形に助詞『す』を接続した形の他動詞の使役化がしっかりした感じでした。そんな他動詞の使役化の中で、もう一つ重要なのがサ変『する』の使役化です。おそらく四段活用の未然形ア段接続に加え、上二段や下二段でも幾らか採用されていたア段接続と同じように、ア段接続で使役助詞『す』がつなげられた形『さす(させる)』になります。特に名詞に直接接続して動詞化させるサ変ですので、重要な動詞と言えます。

ちなみに『信じる・感じる・念じる』などの一文字漢字に直接接続する『じる』も『する』から変じたものと考えられます。『信ずる・感ずる・念ずる』と濁点化した後、ウ段接続からイ段接続へ転じたと思われますが、それも通常の外部への作用ではなく、内面への再帰的な作用みたいな効果を持たせたイ段のように、何となく感じられます。
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  1. 2014/07/05(土) 14:37:31|
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