思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

北方アルタイ語と南方オーストロネシア語 ~北方文法体系と南方音韻体系~




さてタミル語を外来語として採り入れた古代の日本語と考えて話を進めているわけだが、次にタミル語が来る直前の日本語の状態について仮説を立てておくならば、それは北方アルタイ語の文法と南方オーストロネシア語の音韻採用である。


(1)北方アルタイ語の普及

先住民の言語や様々な渡来人の混在があったとは思われますが、広く共有された文法体系が北方アルタイ語系と考えられ、比較的音韻の面でも朝鮮半島と類似していた時期だったのかも知れません。

ただしアルタイ諸語という括りには共通対応語の少なさが問題となっているように、あくまでも各地域ごとの造語余地を残しまま拡散して行った漠然とした文法体系に限られたものと考えておいた方が無難でありましょう。


(2)南方オーストロネシア語との接触交流

一定の漠然としたアルタイ語系の文法体系が広がった中、今度は地域ごとに行われた外部文化との交流によってそれぞれが独自に音韻語彙を充実させて行ったであろう時期と考える。特に r と l の区別の有無、あるいは h の有無が日本語と韓国語の違いを考える上で重要となろう。

つまり朝鮮半島と日本の言語の相違には、漠然としたアルタイ語体系の拡散以降、それぞれ各地域においてなされたであろう周辺交流による付加語彙(あるいは語彙転換)の相違が関係していたと想定される。(また地域生活内において次第に形成されて行った造語音韻イメージの相違が関係した)

たとえば日本語の場合は、南方オーストロネシア語の影響によって五母音体系へ転身したのか、あるいはそもそもの五母音体系の強化がなされた結果と思われ、一方の朝鮮半島の言語については、どこかの地域言語に触発されながら多母音体系へと転身したのか、あるいはそもそもの多母音体系が強化されて行ったと考えられます。その際には、h や z についての問題も含めて考察する必要があるでしょう。(古代日本語の h 不在、韓国語の z 不在による j 代用)


(3)タミル語の到来

大野晋の「日本語の起源」(岩波新書)では、日本語に限らず朝鮮半島にも影響を及ぼしたであろうタミル語として想定されていますが、もし仮にタミル語の到来に信憑性が認められるならば、すでにタミル語到来時点においても朝鮮半島と日本では随分とそれぞれ異なった言語体系を形成して来た双方だったために、そのタミル語到来の影響についてそれぞれ異なった形になろうが大して不思議なことではないでしょう。



そのように考えておきますと、村山七郎(1908-1995)が示した『日本語の起源に関するアルタイ諸語とオーストロネシア諸語の混合説』を踏まえた上で可能となる、そんな検討すべき領域を有するタミル語到来説の存在が見えてきます。

そもそも日本語のアルタイ語・オーストロネシア語混合説はロシアのエブゲニー・ポリワーノフ(1891-1938)によって示されていたようでして、日本においては村山七郎が開拓普及の役を担った感じのようです。wikiによれば、村山は1970年代頃からオーストロネシア祖語との音韻対応を調べ始め、助詞『の』や連濁現象、それに接頭辞(『ま白』『か細し』など)などをオーストロネシア語の影響にあると判断し、アルタイ系を骨子としたオーストロネシア系との混合説(1976)に仕上げたようです。

それから大野晋(1919-2008)のタミル語起源説にたいしては相当の批判(1982)を述べた村山だったようなのですが、内容については全く存じないため何とも批評のしようはありません。ただタミル語到来説を擁護する立場としては、アルタイ・オーストロネシア混合説を踏まえたタミル語到来説の考察可能領域が認められると考えた上で、その内実を残して置きたいと思うわけなのであります。
スポンサーサイト
  1. 2014/07/03(木) 00:08:44|
  2. 新しい日本人論
  3. | トラックバック:0

トラックバック

トラックバック URL
http://gold1513.blog48.fc2.com/tb.php/511-7db92e3d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。