思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

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イロハ歌の成立条件(1)



い(ろは)にほへと 【ちり】【ぬる】を

【わか】よ(たれ)そ つね【なら】む

うゐのおく【やま】 けふこえて

【あさ】きゆめみし ゑひもせす




イロハ歌について、三つの特徴を抽出する。


(1)母音aの同段綴りは、10字中8字4組ある。

(2)ラ行五字のうち『りるら』の三字は母音同段綴りに用いられている。

(3)a段同段綴りにない例外の『は』と『た』とラ行で同段綴りに含まれていない例外の『ろ』と『れ』は、それぞれ隣接綴りになっている。



さて問題としたい事柄には、イロハ歌には外来仏教の雰囲気がある点だ。イロハ歌を作った人々が意図的に計算した配列ではないとは思うのだが、仏教の雰囲気維持のために何らの言語的な特徴が無意識的に入り込んで仕上がったものと想定できるわけである。

まず日本語のラ行には土着的基礎が少なかったと考えられる。ラ行で始まる単語は極めて少なかったことと、上一段動詞の活用部に集約して用いられていることが、その典型であろう。現在の『到着する』『感じる』など外来名詞の動詞化に『る』が用いられていることはその現れと見られ、大野晋が例にあげている『見る-miri』『成る-naru』『散る-teli』などのタミル語の対応からは、ひょっとしたら土着日本語による後発的な外来語『る』の応用化が想定しうるのかも知れません。

イロハ歌に用いられている動詞もしくは助動詞をあげてみましょう。

『匂ふ』
『散る』
『ぬ』(助動詞連体形『ぬる』)
『なり』(現代『なる』)
『越ゆ』(現代『越える』)
『見る』
『酔ふ』
『す』(現代『する』)


ウ段終止に変換させると、『-ふ』『-る』に限られそうなので、不思議です。おそらく仏教風の雰囲気で仕上げられたために生じた何かがあると考えられるでしょう。

すでにイロハ歌があった時代に記された平家物語の冒頭では二段目『いろ』四段目『ちり』(『散り』と『塵』で意味が異なる)一段目『こえ』(『越え』と『こゑ』で意味が異なり、音も類似であり同一ではない)三段目『ゆめ』が用いられている点は面白い現象です。イロハ歌の『ちりぬる』『ゆめみし』では後続動詞二字で同段母音が用いられ、周囲に動じない仏教の雰囲気が感じられます。

平家物語の冒頭では、まず『祇園精舎』『諸行無常』『沙羅双樹』『盛者必衰』と漢字四字で書き連ねられ、『あらはす』に続いて『からず』『ごとし』『ほろびぬ』『ちりに同じ』と同段母音綴りで仕上げています。

残りの『いろ』と『こゑ』はイロハ歌では『いろは』と『こえて』で後者の場合は見事に同段母音ですが、ただ冒頭『いろは』のみが例外なのです。そしてa段の10字のうち同段母音綴りにある8字4組に属さない2つのうちの『は』が用いられています。



~次回に続く~



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  1. 2013/05/09(木) 00:08:17|
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