思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

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ビートルズ・ルネサンス ~ life とキリスト教~



We can work it out

Life is very short and there's no time for fussing and fighting


We can work it out とは、1965年末にアルバム『ラバーソウル』と同時発売されたシングル曲である。その『ラバーソウル』の中にはジョンがヴォーカル担当した In my life が収録されており、ポールがメインヴォーカルの We can work it out と同じく life (人生) をテーマにしている点で、大変興味深い形となっていると言えよう。

まずこの頃のビートルズには、ある種のイタリア・ルネサンスの要素を認めておきたいのだが、それはロレンツォ (1449-1492) の詩である。

美しき青春
しかし散る
今がその時
明日は未知


それは明らかにポール側の We can work it out に近い内容である。それに比べてジョン側の In my life は、今ある生活に過去の経緯が想起された形であり、間奏の電子オルガンにはドイツのパッヘルベル (1653-1706) のカノン曲さえ思わせるよう仕上がりだ。

そもそもイタリア・ルネサンスとは、伝統的になったキリスト教文化にたいしてアラビアの古典ギリシャを応用した興隆に触発された『古典再生』(ルネサンス) である。ならばビートルズは、イギリスの伝統文化にたいしてアメリカの黒人音楽やプレスリーなどを受容してイタリア・ルネサンスに似た領域に達したものと解釈してもよいのかも知れない。

それにジョン・レノンのキリスト発言問題が、イタリア・ルネサンスに似た『ラバーソウル』直後に端を発したのも、単なる偶然ではないだろう。イギリスで発言した1966年3月の時点ではたいして問題にはならなかったが、同年7月からアメリカ南部や中西部を中心に騒がれ始め、やがてスペインやバチカンなどにも波及したらしく、地域的な反応が深く関わった結果と考えられる。

おそらくイギリスでは、新たに人気を博した者にたいしては伝統保守側も寛大に聞かなければジェントルマンとして恥をさらすことになるであろうし、また新たに人気を博すにいたった過程についてはそれまで伝統保守の意見を寛大に聞き入れた上で辿り着いたものとして理解しなければならない二大政党意識にあったと思われるからです。

しかしアメリカなど他のキリスト教文化圏では、反キリスト教的権威と見なされた形である。そもそも伝統的キリスト教と新規ルネサンスの両勢力の混在状況を全体的に観照したボッティチェリを、19世紀になって再発掘した前ラファエル派がイギリスの特殊性を意味しているのである。

おそらく他文化圏では伝統と新規を【文化の混在】として見るためなのか、ジョンの発言を勢力の主張と捉えたのだろう。しかしイギリスでは伝統と新規を二大政党意識が共有された中で【勢力の混在】と見るため、1963.11.4.の王室開催におけるジョークも配慮の要求として通じるのであろう。



こうした観点からして、人生に触れたイタリア・ルネサンス的な『ラバーソウル』の頃から、ボッティチェリが見た伝統と新規の混在状況がビートルズの問題意識に入り込んだものと想定できます。そしてジョンの場合は In my life のパッヘルベルのドイツ性から『ムンクの叫び』や実存主義へ向かい、ポールの場合はロレンツォのルネサンス性からラファエロやフランスの新古典主義へ向かったものと大まかな分類をしておきたい。

ジョンに見られる『ムンクの叫び』の特質は、キリスト発言が問題化する直前にリリースされたアルバム『リボルバー』の And your bird can sing によく現れており、叫びの立場から日常的平穏に向けた曲なのだ。それに比べて同アルバムの中のポールが歌う Eleanor Rigby は、逆に日常的平穏から外れた叫びを描写した形であり、耳をふさぐ中央の人物がいなくなった『ムンクの叫び』の風景である。

And your bird can sing

Eleanor Rigby


つまりジョンは憂鬱を伴うボッティチェリから『ムンクの叫び』を追究したのにたいして、ポールは写実性を増しながら絵画鑑賞者を意識したラファエロのような感じなのだ。






ここはヴィヴァルディ (1678-1741) を思わせる弦重奏の Eleanor Rigby にはポールのヴォーカルが似合い、パッヘルベル (1653-1706) を思わせる電子オルガンの In my life にはジョンのヴォーカルが似合ったとしておこう。

そして伝統的キリスト教からイタリア・ルネサンスを迎えたビートルズは、その後、ジョンはゲルマン系のパッヘルベルやムンクに向い、ポールはラテン系のラファエロやヴィヴァルディに向いたポールと、ひとまずは分類しておきたい。



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  1. 2012/08/19(日) 23:34:09|
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