思考の社会学 ~心理学革命~

人それぞれ、様々な個性的思考のもと、論議し生活している。我々は人々に影響を与え、影響を受け、時代が変わってきた。 そんな様々な思考が交錯することで生じる時代変化など、心理学的にまた社会学的に考察する。

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前向きイニシアティブと現実ヘゲモニー



イニシアティブ initiative という 「指導権」 にたいして、似たようなヘゲモニー hegemony という 「覇権」 という意味の言葉があります。



さて巷に耳にするのはラテン語に由来する 「イニシアティブ」 の方でありまして、ギリシャ語に由来する 「ヘゲモニー」 は専門分野に留まっているように感じられます。それは自らの新たな指導権獲得や場面場面で変わる指導権を見逃すまいとする意識が重要視され、恒常的な肩書き的地位の追求意識を広く共有化する雰囲気にないことを意味します。

またラテン語とギリシャ語の違いについては 「共に+走る」 に相当する語彙であるラテン語から派生させたフランス語 「コンクール」 とギリシャ語由来の 「シンドローム」 と雰囲気が似ていて、【刻々と変化する状況対応】のラテン語と【広く恒常化した動向の認知】のギリシャ語にあると言った感じでしょう。



ヘゲモニーという用語が広まったのは、天皇陛下万歳の日本やナチス・ヒトラーのドイツと同様にファシズム体制にあったムッソリーニのイタリアにおいて、マルクス主義の活動にあたったグラムシにありそうです。

wiki を頼りにするならば、その後アメリカにおけるキンドルバーガーやギルビンの覇権安定論やモデルスキーの覇権循環論へと展開されて行ったであろう 「ヘゲモニー」 と察せられます。



ところで現在の日本メディアで注目されているのは、かなりイニシアティブの側に偏っているように伺えます。言ってみれば、ヘゲモニーに注目することにたいして 「社会のせいにするな!」 もしくは 「それは専門批判家たちの仕事なの!」 と言いたげなのでありまする。

言わばイニシアティブの強調によってある種のヘゲモニー形態を持続維持させようとしているわけであり、何やらヘゲモニー論の台頭を退けるためのヘゲモニーを働かせているような形となっています。



いやはや、ヘゲモニー階級 (大企業や政治家) とイニシアティブ階級 (一般庶民) に分かれているのが現実の社会構造となっている日本なのでしょう。大企業は新興国への移転にヘゲモニーの拡張を広げ、政治家は国内での自己ヘゲモニーの維持に努めておられるわけでございます。

なるほど第二次大戦以前でしたら、植民地拡張による国家的ヘゲモニーの向上を目指したナショナリズムで協調する大企業と政治家でありましたが、戦後の各国独立によって産業グローバルと国家ナショナリズムに分かれる世界となって現在に至った感じがいたしますです。

そうです。今や植民地獲得を目指すヘゲモニー階級は皆無でございす。もはや各国の不均衡を動き回るヘゲモニー階級同士の競争が主流なのでありまして、イニシアティブ階級の世界的植民地化とその不均衡を参考にする選別権がヘゲモニーの重要な部分なのであります。

イニシアティブの獲得やぶら下がりで競争する労働者階級は、自らがヘゲモニーとなるベンチャーを目指すか、ヘゲモニー階級の下で努力するかに関わっています。

ですからイニシアティブ階級は、ヘゲモニーについて語ることを避けなければならないのであります。さもなくばヘゲモニー論を進めたグラムシのような投獄の運命に入り込むことでしょう。いや投獄ならばまだ目に見えますが、今や目に見えぬヘゲモニー従属に励む大多数の動向から取り残されるだけでしょう。

そんなわけで、もし 「蟹工船」 の愛読者がおられましたら、はやばやとみんなと同じくヘゲモニー従属に役立つステルス・スキル (こっそり技術) を身をつけた方がよいでしょう。

ただどうしても気になって仕方がないと言うのでありましたならば、小林多喜二 (1903-1933) に合わせてアントニオ・グラムシ (1891-1937) のヘゲモニー論を始めるのが、ちょっとした密かな趣味となりえるかと存じます。

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  1. 2012/02/22(水) 23:08:16|
  2. 現代思想
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